「青土」白波八寸名古屋帯(仕立て上がり品)

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「あったらいいな」を 形にしたら…

手績み、手織り。 大陸の風を感じる シンプル麻帯

紡績糸は苧麻を機械で綿状にほぐしてから紡績機にかけるが、手績みはすべて手作業。指先で繊維を裂き、その先端を延々と撚り継ぎして長い糸にするためには、大変な手間ひまと熟練の技が必要だ。

お茶と平等院で名高い宇治の駅。そこからほど近い住宅街に「青土」はある。麻という素材に魅せられた、橋本隆さん・薫さんご夫妻のアトリエだ。入り口の大きな引き戸が開くと、まず圧倒されるのが、天井近くまである棚に、整然と並んだ生成り色の反物の数々。着尺地をはじめ、帯地や服地、インテリア用のものまで、幅も厚さも風合いも実にさまざまである。「ここにあるのは、すべて麻素材。"麻"という呼び名は、木綿を除く植物性繊維の総称で、その代表が大麻(ヘンプ)、苧麻(ラミー)、そして亜麻(リネン)の3つです。糸芭蕉を原料とする芭蕉(ばしょう)布や、山藤のつるから作られる藤布なんかも、麻の仲間なんですよ」薫さんが一くくりの苧麻の繊維と、そこから手績みした輝くような糸を見せてくれた。これは今回の麻帯の原料でもある。手績み、手織り、手染め……。テキスタイルディレクターである橋本夫妻が手がける麻には、すべてどこかに手仕事が息づいている。

アトリエのいちばん明るい場所には、3つの機が並んでいた。左から韓国、中国、日本のもの。その構造は、ほとんど変わらないという。地道で根気のいる糸づくりに比べると、織りはどこか華やかな仕事だ。

「麻の糸をつくることを"績む"といいます。試しにやってみましょうか?」 その手がワサワサとした繊維を、すうっと細く均一に裂いて、指先で力強く撚りながら延々とつないでいく。恐ろしく地道で、根気のいる作業。帯一本分の糸を績むためには、いったいどれくらいの時間がかかるのだろう。しかも、麻織物の善し悪しは、この糸の出来にかかっているといっても、過言ではないらしい。「宮古や越後など"上布"と呼ばれる高級麻織物の産地は別ですが、残念なことに日本には、もう手績みのできるところが、無いに等しい状態です。でも、僕たちはふつうの人がふつうに手が届く価格で、上質の麻を楽しんでほしかった。そこで目を向けたのが、日本の麻織物のルーツでもある大陸だったんです」

コーディネート力抜群の無地ながら節糸が存在感のある八寸帯は初めての夏帯としても◎。

そうしてアジア各国を巡り歩いた隆さんが、最後にたどりついたのが中国・湖南省。しかし"麻といえば生成り"があたりまえの中国では、生地はいいものができても、後に続く、染めがままならない。その仕事の輪をつないでくれたのが、地元の京都だった。日本が誇るこの千年の都には、やんごとなき人々の絹の文化によって鍛え上げられた、高い染めの技術がある。「ひと口に染めといっても、素材や織り方で、ずいぶん仕上がりが変わってきます。でも、こんな色にして欲しいとお願いすると、生地をパッと見て調合を変え、見事にイメージ通りに染め上げてくれる。京都の職人さんは、本当にすごいです」
  中国に受け継がれた手績み、手織りの技と、京都の卓越した染めと仕立ての連携が生んだ、シンプルでいてぜいたくな夏帯。ゆかたによし、夏紬つむぎによし。女っぷりのよさを、ぐんと引き上げてくれそうだ。

京都・宇治で、麻に魅せられた「青土(あおに)」の橋本夫妻が手がける、味わい深い名古屋帯。目にも涼やかで、実際に締めても、ひんやりとした涼風が吹き抜けていくような心地よさ。中国の長い歴史の中で、連綿と受け継がれてきた手績(う)みの麻糸を丹念に織り上げている。「白波」と命名された八寸帯は、無地ではあるが、平板さとはまるで無縁。ところどころにのぞく節糸が存在感を発揮して、ニュアンス豊かだ。洗練された風格が漂うものの、麻特有のごわつき感があまりなく、初心者が締めやすいのもうれしい。色なき色は、大胆な意匠の夏紬やゆかたを受けとめる懐の深さがあるところも魅力。カラフルな帯留めで、自分なりのアクセントを加えてみてはいかが。

サイズ:約幅31×長さ380cm、原産国:(原産国)中国・(企画・縫製)日本、素材・原料:麻(苧麻)
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「青土」白波八寸名古屋帯(仕立て上がり品)

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