桐洋風チェスト（三つだたみ用・帯用）シンプルタイプ

森田千晶●レース和紙に代表される和紙作家。原料である楮（こうぞ）の栽培から紙すき、デザインまでを行ない、その繊細な仕事が注目を集めている。現在、「アトリエ線路脇」で創作活動を行なっている。

　森田千晶さんが創作活動を行なうアトリエは、実家の敷地内にある古いアパートを改造したもの。その片隅に桐の洋風チェストが置かれている。
「自然素材ならではのナチュラルな質感が、制作途中の和紙や作品が積まれたアトリエに驚くほどなじんでいます。存在感を主張しすぎないシンプルなデザインも、アトリエにあるものと相性がいいみたいです」
　お母さまや親戚から譲り受けた大量の着物は、これまで、実家の桐たんすに収納されていた。15年前に着物にハマったときには、中身がわかるように畳紙に着物の写真を貼り付けて引き出しに収納するなど、整理にも凝っていたという。その後、創作活動が忙しくなり着物を着る機会は減ってしまったが、最近になって着物熱が再燃。そこで、お気に入りの着物を、長く過ごすアトリエに移動。収納のためにこの洋風チェストを選んだ。

引き出しが深すぎないので、着物をスムーズに取り出せる。

　もともと、作品の収納用に桐の箱を自作したこともあり、軽くて湿気にも強い桐の特性に関心があったという。「実家の桐たんすは古くて重くて、引き出しをひっぱり出すのも一苦労。洋風チェストは引き出しが軽くて出し入れもスムーズ。軽いので移動も一人でできます。引き出しは二つだたみにした着物にぴったりのサイズで、下の着物を取り出すときにもちょうどいい深さです」

付属の連結金具で連結可能。６段同士は金具は使用できない。

　ちなみに、森田さんが選んだチェストは二つだたみ用の３段タイプ。「幅はあるのですが高さがないので圧迫感がなく、作品や絵、植物のディスプレイコーナーにもぴったりです」
　桐たんすには合板を使ったものも多いが、この洋風チェストは天然の桐材を使った総桐製。「ここはアトリエなので、汚してしまうこともあるかもしれませんが、天然の木なので、年を経て色がどんなふうに変わっていくのか期待しています。いつの日か、柿渋で染めようかな、なんてことも考えて楽しんでいます」